早く検診を受けていたらと後悔しないために。乳がんは早期発見が大切です。

2018.9.25

乳がん検診にきちんと行っていますか? 日本人女性の11人に1人がなると言われている乳がん。女性の死亡原因の上位に入っています。食生活の欧米化や、社会進出、晩婚化などのライフスタイルの変化のためか、患者数が増えています。それでも検診の受診率は3~4割と低く、先進国では最低水準です。

今回は、実際に乳がんが発見された方の体験談も交えながら、乳がん検診がいかに大切かを考えていきたいと思います。

乳がんとは?

乳がんとは、乳房の中にある乳腺にできる悪性の腫瘍(がん)です。他のがんのように細胞の遺伝子異常が発生の原因ですが、女性ホルモンにも依存しています。

がんは乳管の中にとどまっている「非浸潤性乳がん」、そこから進行して乳管の外の間質まで広がった「浸潤性乳がん」、パジェット病にわけられます。よく聞かれる「しこりがみつかった」というような乳がんは「浸潤性乳がん」になります。

「まさか私が?」乳がん検診を受けた方の体験談

乳がん検診を受けて乳がんと診断されたNさん(40代)にお話しを聞いてみました。

Nさん:市から送られてくるがん検診の期限が年度内だったので、3月に慌てて受けました。これを逃すと再来年になってしまうためです(40代女性は2年に1回の検診と厚生労働省より推奨されています)。前年度に別の機関でマンモグラフィを受けたことがあり、今回も特に問題ないだろうと思っていました。
マンモグラフィを受けたあと触診がありましたが、そこで医師にしこりがある、と言われました。医師に場所を教えてもらって自分で触ってみると、確かにゴリゴリしたものがあります。マンモグラフィの結果を見てみましたが、正直素人目にはどこがしこりなのか分かりませんでした。医師の指示ですぐに超音波検査をしました。今度ははっきりと角ばった塊が写っていました。大きさは1.3cmとのことです。「まだ確信は持てないけれど、もしかしたら悪性(がん)の可能性がある。もしそうだったとしても、たぶんステージ1くらいだと思う」と言われ、針生検(しこりに針をさして組織を採り、がんかどうか調べる)をしました。そしてその場で胸部MRIの予約。結果説明にはだれか家族を連れてきてくださいと言われました。また、「手術をするならこの日が空いている」と予約を入れていました。こんな感じだったので、「十中八九がんなんだろうな」と思いました。

とんとん拍子に進んでいきますね。Nさんは特にセルフチェックはしていなく、自分ではまったくしこりに気づかなかったそうです。

Nさん:結果がでる1週間は落ち着きませんでした。「多分乳がんじゃない」「でも検査を次々としたし先生の感じからして絶対がんだ」「家族呼んだし」「だとしてもステージ1だからきっと大丈夫」ということが頭の中をぐるぐる回っていました。結果は夫と聞きにいきました。やはり乳がんでした。

ステージとは、がんの進行具合のことです

がんの進行具合は「ステージ(病期)」で分類されます。数字が大きいほど進行した状態になります。がん細胞が乳管内に留まっている「非浸潤性乳がん」のステージ0から、がん細胞が乳管の外に出ている「浸潤性乳がん」で、他の臓器には転移がない(リンパ節の転移はある場合があり)ステージ1~3、しこりの大きさに関わらず他の臓器に転移しているステージ4に分けられます。

ステージは低い段階で発見されれば、かなりの確率で治ります。今までのように元気に生活ができるようになります。乳がんは他のガンより進行が緩やかな上に、しこりを自分で気づきやすいので早期発見がしやすいです。日本人女性の11人に1人が乳がんになると言われています。自分もなる可能性があるのです。

Nさん:正直なんで私が、という気持ちです。皆そうだと思いますが、まさか自分ががんになるとは思っていなかったので。特にがんの家系でもないですし。でもステージ1だったのが不幸中の幸いだった、と思います。たぶん脇のリンパ節にも転移はなさそうだと。ただ実際のステージは手術をして病理検査をしてみないと分かりませんが……。

Nさんは検診に行かなくては、と思い立って受診して腫瘍が発見されました。これが「子育てで忙しいから」等の理由で先延ばししていたら、もっと進行していたはずです。早期発見できたので、このタイミングで受診できて本当に良かったと思います。

Nさん:まだ乳がんのサブタイプ(がんの遺伝子の特徴によって乳がんを分類したもので、このタイプによって治療法が決まってくる)は分かっていませんが、手術をして、場合によっては抗がん剤やホルモン療法などをします。腫瘍は小さいので、乳房は温存できそうだと言われていますが、全摘か温存か、じっくり考えないといけません。悩みます。子どもも小さいし、仕事も続けたいですし……。

近頃は、抗がん剤などの治療が外来でも受けることができるようになってきたため、仕事をしながら治療をする、という人も増えているそう。Nさんもできるかぎり仕事を続けていきたいとのことです。

早期発見のメリット

早期発見のメリットの一例をご紹介します。

  • 予後が良い。命が守られる。
  • 乳房が温存できる可能性が高い。
    ※温存というのはがんの部分をある程度のマージンを取って切除をすることです。多少乳房の大きさや形は変わります。
  • 手術が大掛かりではなく、体の負担が少ない。傷跡も小さくてすむ。
  • 入院日数が少ない。かかる費用が少ない。
  • 治療方針を選択できる場合がある。
  • 早めに社会復帰できる。

命が守られるというのが一番大きいと思います。

きちんと受診しましょう

早期発見で治りやすいとはいっても、放置してしまっては意味がありません。もし乳がんだったとしたら、時間とともに進行していきます。気が付いた時には……というのが一番怖いです。そうならないためにもきちんと受診をしましょう。

会社の健康診断で乳がん検診がなくてもオプションで追加したり、各自治体で配られる検診の割引券(40代以上の方)などを利用しましょう。マンモグラフィと超音波検査(エコー)では検査の得意分野が違うので、両方受けたほうが精度が上がります。乳腺の発達している30代くらいの若い方は超音波検査のほうが向いています。また、毎月のセルフチェックも大事です。

:Blanchechou編集部

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