映画~インフェルノ ~ダンテ「地獄篇」、ボッティチェリ「地獄の見取図」に隠された謎を解き、人類滅亡の危機を救え!ラングドン・シリーズ第3弾~

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インフェルノ
INFERNO

配給:ソニー・ピクチャーズ
公開:10月28日(金)日米同時公開

ダン・ブラウン原作、監督(ロン・ハワード)、主演(トム・ハンクス)のロバート・ラングドン・シリーズ第3作です。今回は、世界人口の膨張が、やがては人類滅亡を招くだろうと憂える組織が、ウィルス爆弾を仕掛けて、人口を半分して人類の危機を救おうとする。そのおせっかいな陰謀を阻止しようとするラングドンの活躍を描くミステリー・サスペンスです。
ウィルス爆弾阻止のタイムリミットは24時間。しかし開巻からラングドンは記憶喪失、入院している病院の場所すら分からないヘロヘロ状態。窓から見える風景からフィレンツェと判りますが、なぜイタリアにいるのかが分からない。そこへ、正体不明の殺し屋がラングドンを狙ってきます。女医のシエナ(フェリシティ・ジョーンズ)とともに病院を抜け出し、シエナのアパートに身を隠し、状況を調べ始めます。謎のメール、ファラデー・ポインターのボッティチェリ「地獄の見取図」、そこには原画にないアルファベットが隠されていました。
シエナを相棒に、次々と謎を解き、フィレンツェからヴェネチア、イスタンブールへ。そして人口半減計画を知りますが、危機統制機構(CRC)、WHO(世界保健機構)、刺客らの暗躍で敵味方が分からなくなってきます。何しろWHOの捜査員(オマール・シー)からもなぜかラングドンは狙われるのですから。

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このシリーズの魅力は、世界遺産、美術館、博物館に隠された謎を解いていくミステリー仕立てにあります。本作では、フィレンツェのヴェッキオ宮殿の五百人広場、ボーボリ庭園、ヴェネチアのサンマルコ広場、ドゥカーレ宮殿、イスタンブールのアヤソフィア博物館などの内部を見せてくれます。
そして、ダンテの「神曲 地獄篇」をモチーフにしたボッティチェリの「地獄の見取図」に隠されたアルファベット、その並べ替えから新たな謎が生まれる、謎が謎を呼ぶ展開。そしてダンテのデスマスクに隠されたメッセージに行き着くのです。
特筆すべきは、登場する女性がみんな強く、ラングドンは助けられたり、殺されそうになったり。女医のフェリシティ・ジョーンズからは謎解きを手伝ってもらうだけでなく、ピンチも救ってくれます。殺人マシーンのヴァエンサ(アナ・ウラル)の執念深さはなかなか怖いキャラクターです。そして、WHOのリーダー(シセ・バベット・クヌッセン)の包容力、このように女性に振り回され、助けられるラングドンという設定がバディムービーとスリラー、ユーモアを醸し出す効果を生んでいます。
それにしても、今回の悪役は人類の未来を憂えての行動というところで、一概に悪と言えないように思えます。このまま放置して人類の滅亡を待つより、今対処すべきだという論理は、一応説得力がありますが、人間がそれを行ってよいのだろうか、というところで、その計画を阻止しようとするのですが、ほかに選択肢がないのか、という検証がなく終わるところが物足りないところです。そういうことは映画を観終わった観客が考えるべきことかもしれません。そういう意味からも、問題提起があるミステリーとしてオススメです。

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