女性の様々な生き方を紹介するコラム第二回。
株式会社教育ネットの代表取締役、大笹いづみさんにお伺いしました。
株式会社教育ネットを立ち上げたキッカケ
元々、システムエンジニアとしてお仕事をされていた大笹いづみさん。まだSNSという言葉がない時代に、子どもたちがインターネット(以下ネットと称する)を利用して学校間交流をするしくみを作っていました。しかし自分で会社を立ち上げなければしたいことができないと思い、勤めていた会社が倒産したのを機に起業をしました。『子どもたちにインターネットの良さをもっと知ってもらいたい』と考え、一般社団法人こどもコミュニティサイト協議会を立ち上げ、3年後に現在の株式会社教育ネットを立ち上げました。ネットの良い所は沢山あります。しかし今の社会ではネットの良さを知る前にトラブルが起きてしまっている状態です。ネットについて細かく教えることは学校だけでは難しい。そこで株式会社教育ネットがネットの楽しさや危険性を伝え、トラブル対応を行っています。
子どものネットトラブルと現状
大人が思っている以上に子供のネット世界は世間に知られていません。教育ネットでは子どもだけでなく教員研修・保護者講習を設け、実機(ゲームやスマートフォン)を使用した講習を行い、ネットトラブルを体験してもらいます。そこで初めて子どもが巻き込まれているネットトラブルの恐ろしさを知ったという大人はとても多いそうです。大人の理解無しに子供のネットトラブルを防ぐことはできません。子どもにネットを使わせる時は必ず制限やルールを決め、まず大人がネットについて理解することが大切です。
仕事と育児の両立について
お子さんが2人いる大笹さん。当時を振り返り、仕事と育児の両立は大変だったと言います。特に幼稚園から低学年の時期。お子さんが熱を出した時は後ろめたさを感じながら会社を後にしたことも度々あったそうです。ちょうど産休・育児休暇制度が始まって間もなくの頃、まだ世の中にその制度が浸透しておらず、ずいぶん肩身の狭い思いをされていました。それでも大笹さんの中で仕事を辞めるという選択肢はありませんでした。育児のせいにすることなく、仕事をこなしていたといいます。大笹さん自身の経験もあり、女性が働きやすいようにと株式会社教育ネットでは積極的に女性の雇用を促進しています。こちらの会社で働いている従業員の半分以上がパート契約の方です。またママインターン制度の導入も進めています。
ママインターン制度
2015年の秋から始まった出産・子育て後に仕事をしたいママのための社会復帰制度です。専属のキャリアカウンセラーのもとでPCスキル・社会人マナー等のビジネススキルや自己分析をしてもらいます。業務を通しながら自分がしたいことをインターン期間中に見つめ直し、その後教育ネットでパートとして働くこともできます。
大笹いづみさんにとって女性が働きやすい社会とは?
『男性と同じように働く必要は無い。その人の個性や状況に合わせて100%の能力を発揮し、楽しく仕事ができる事が大切』
女性の感性を活かせる仕事は沢山あります。株式会社教育ネットもその1つです。社会の変革はもちろんのこと、多くの女性の意識の変化が求められる時代にきているのかもしれません。『女性だからといって可能性を狭めるのではなく女性だからできる!という思いを持ってもらいたい』と大笹さんは言います。
取材を終えて
大笹さんが言う『その人に合った仕事ができる事』がまさに女性にとって働きやすい社会と言えるのではないのでしょうか。良い意味での差別はなくてはならないと思いました。なぜなら男性だからできること、女性だから得意なことがあると思います。個性を無視すれば辛いこともあり、自分自身を傷つけることもあるでしょう。“差別”は良くありません。しかし、“性差”による強みは差別ではなく、個性と捉え、プラスに変えられるのではないでしょうか。制度がいくら変わっても、個々の意識が変わらなければ現状は変わりません。将来は女性も男性も、お互いをより尊重し合えるような社会になってほしいです。
Information
株式会社教育ネット
〒224-0037 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎南5-24-9 ソワリヴィエールD
Tel:045-550-3243
アクセス:横浜市営地下鉄「都筑ふれあいの丘駅」から徒歩6分