妊産婦と寄り添う仕事 ママへ 産んでくれてありがとう


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横浜鶴見・めぐみ助産院

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JR鶴見駅から歩いて10分ほど。閑静な住宅街にめぐみ助産院はあります。
看板がないと普通のお家です。めぐみ助産院・院長の市川恵子先生(助産師)が、にこやかに迎えてくださいました。
ふと、おうちに帰ってきたような懐かしい気持ちになります。それもそのはず。1階は診療室、2階がキッチンと産婦さんが出産、滞在するお部屋(病院でいう病室)、3階もお部屋があって、自宅にいるような感覚で過ごすことができます。
市川先生に助産院の中を案内していただいている間も、先生は笑顔で「○○さん、調子はどう?」などと、妊婦さんのお名前を呼びながらに親しみある口調で、声をかけていらっしゃいました。常に気配りが、感じられます。
こちらの助産院では、出産だけではなく、妊婦健診、妊婦さんや赤ちゃん向けのクラス、母乳外来、産後ケアなどを行っています。

なぜ、産後ケアが大事?

出産後、助産院に滞在して行う「産後ケア」の利用が、最近多くなっています。
その背景には、里帰りできない、産後にお手伝いをしてくださる方がいないなど、妊産婦さんそれぞれの家庭の事情もありますが、出産後、ご自宅での母乳や沐浴など育児への不安、赤ちゃんの泣き声に悩まされるなどのケースが少なくありません。そのため、産後の不安な時期を助産院で過ごすことによって、家庭的な雰囲気の中でリラックスでき、助産師の専門的なケアを受けられ安心できます。結果的に産後うつや虐待予防にもつながります。
こちらの助産院で出産された方のみならず、他の病院で出産され退院後、そのまま1泊~1週間ほど滞在されるケースが多いとか。滞在日数は、何日間という決まりはなく、その方のご希望にあわせて滞在でき、専門家のケアを受けることができます。

市川先生は言います。
「産婦さんによって、色々なケースがあります。産婦さんごとの要望にあわせて、滞在(入院)日数も決められます。例えば、助産院で自然なお産を希望されていた方が、事情により病院での出産を選びました。その病院の院内助産で出産することができ、退院後に助産院に産後ケアを受けにこられました。出産は、希望とする助産院ではありませんでしたが、院内助産で出産することができ、結果ご本人が満足のいくお産になりました。出産に満足できると自分に自信が持て、それによって育児に前向きになれるので、出産の経験を良いものにする事は大切なことです。その方は助産院の産後ケアを受けることによって、母乳育児が順調に出来るようになり、ご自宅での育児をスムーズにすることが出来ました」

自然に逆らわない出産

病院の分娩予約が、激化している近年。間際の変更は可能ですか? 横浜では妊娠6週くらいで、予約しないと分娩する病院がないと言われていますが…。

「助産院では、自然のタイミングで、希望のスタイルのお産をすることが出来ますが、妊娠期間中を正常に経過している事が原則となります。母子の自然な力で出産することのサポートをしていますので、正常な妊娠経過、自然分娩ができる人だけに利用は限られているのです。逆子が直らなかったり、妊娠経過が順調でなくなったりで助産院での出産が難しいときは、連携している病院などでの出産に変更になります。(めぐみ助産院は、横浜市立市民病院と連携しています)。
また、妊娠中に検査や医療行為が必要な場合は、嘱託医(めぐみ助産院の嘱託医は、マチダクリニックの町田稔文先生)のサポートを受け、常に相談できる体制になっています。
病院での出産が必要となった場合は、嘱託医療機関で受け入れてもらえますが、病院の状況で受け入れが困難な時は、嘱託医療機関が周産期医療ネットワークで受け入れが可能な病院を緊急に探してくれます。」

出産の神秘 月の満ち欠けとは?

自然に生まれるまで待つということは、ほぼ出産予定日通りに産まれないと思いますが、そのような時でも「満月」の時は、出産される方が多いのでしょうか?

「満月と新月の時期の出産は多くなるように思います。まだ、出産する時期ではない妊婦さんも満月の時期はお腹が張りやすくなるようです。満月や新月の時期は、大潮と言って潮の満ち引きの差が大きくなります。潮の満ち引きによって、お産が順調に進んだり、思ったように進まなかったりするようです。私は、産婦さんが入院してきたら、満潮時間と干潮時間をチェックしますよ(机の横に月の満ち欠けカレンダーがありました)。自然に生まれるまで待つと言っても、母子共に健康で、ここまでなら待てる、という週数はあります。めぐみ助産院では、予定日を1週間過ぎたら、連携医療機関を受診してもらうようにしています。
出産をお受けしているという事は、いつ出産になっても対応できるようにという事だけでなく、妊娠中にトラブルが生じたときに医療機関につなげる対応もしなければなりません。そういう意味で、助産院を始めた時から、自分の中での仕事のスイッチは24時間365日、常にONになっています」

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気になる 会陰切開(えいんせっかい)

出産で気になるのが「会陰切開(えいんせっかい)(※1)」ですが、助産院ではそういう処置もするのでしょうか?

「病院では出産時、赤ちゃんを出しやすくするために会陰切開することもありますが、一般的に助産院では切開はしませんし、めぐみ助産院で切開したことは一度もありません。それでも赤ちゃんは産まれてきます。そして、会陰が裂けて縫合しなければならないような傷はほとんど出来ません。赤ちゃんの大きさ、会陰の伸びやすさ、陣痛の強さなど、さまざまな条件がありますが、会陰が切れないようにするには、出産するときの産婦さんへの誘導の声掛けが重要です。その声掛けによって赤ちゃんがゆっくり産道を通るので会陰が切れずに済みます。会陰が切れないと産後に痛みがなく、とても楽ですよ。」

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スタッフは何名体制ですか?

「私以外は、非常勤ですが、助産師は夜勤だけの人も含め10人います。その他に、子連れ出勤の調理スタッフが2名います。
助産師として仕事を続けるには、日々進歩していく新しい知識を学び続ける事はもちろん必要です。それと同時に、妊産婦さん、育児中のママに寄り添っていく仕事なので、人の気持ちに寄り添うことが出来る方に仕事をお願いしていくようにしています」。

これから妊娠、出産をする方へのメッセージはありますか?

「出産年齢は年々高くなってきていますが、出来る事なら、リスクの低い時期、体力のある時期に出産してほしいと思います。一人目を20代で産めたらいいですね。
仕事のキャリアを積みたいという女性の気持ちもわかりますが、妊娠・出産にはタイムリミットがあります。年齢を重ねるほど、出産のリスクが高くなり、体力も減少してきます。さらに、育児は体力勝負です。早く産んだ方が圧倒的に楽です。走り回る子供を追いかけるのですから。ずっと仕事が忙しいから避妊していて、そろそろ妊娠しても良いと思った時には40歳になっていた、そんな話も聞きます。年齢が上がるほど妊娠する確率が下がってきます。仕事のキャリアは出産後に積むことも充分可能ですよ」。

※1 出産時、赤ちゃんが出てくるときに、会陰(膣の出口と肛門の間のところ)が十分に伸びていないと肛門や直腸まで裂傷をおこすことがあります。そうした危険性のあるときには必要に応じて、ハサミで会陰を切ることをいいます。

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Information

めぐみ助産院(院長:市川恵子)

神奈川県横浜市鶴見区寺谷2-15-18

Tel:045-571-8503
Fax:045-633-7283

web:http://megumi-jyosanin.com/

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