女性の様々な生き方を紹介するコラム。
第4回は女子ボルダリング神奈川県代表選手であり、ボルダリングジム&ショップFREEDOMのスタッフの一員、羽鳥唯さんに、大会のことから将来の展望まで、あらゆるお話を聞きました。
羽鳥さんは小学3年生の頃からボルダリングスクールに入り、現在も活動を続けています。
2015年には全国大会の神奈川県代表選手として選抜され、優秀な成績を修めました。
ボルダリングって?
室内外に設けられた専用の壁を登ってゆくスポーツです。
元々は自然の岩場を登る練習のようなものでしたが、現在では室内スポーツとして人気を集めています。
ボルダリングのルールなど、もっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ!
大会について
実は様々な団体が開催しているボルダリングの大会。
運営団体や大会の趣旨などにもよりますが、基本的には年齢またはレベル別に分かれ、競います。
年齢別では小学生~高校生、場合によっては20歳までのユースとそれ以上の年齢の青年部があります。
レベル別では明確な基準はなく、自己判断でレベルを決め、申請します。
実力よりも難しいレベルに挑戦し、レベルアップを図ることもできます。
(カテゴリ分けは各大会により異なります)
達成感が楽しさにつながる――ボルダリングの魅力
現在19歳になる羽鳥さんがボルダリングを始めたのは小学校3年生の時。
お父さんに勧められ、習い事としてやってみた結果どんどん魅了されたと言います。
そんな羽鳥さんにまずはボルダリングの魅力を聞きました。

「魅力はやっぱり、ゴールまで登れた時に達成感があって、それが楽しいことですね。スタッフとして登りきったお客様の笑顔を見るのもとても嬉しいです」
ボルダリングのシンプルな魅力、楽しさ。
好きこそものの上手なれと言いますが、楽しさに夢中になるうち、大会でも好成績を記録した羽鳥さんはまさにそれを体現しています。
また、ボルダリングは楽しみ方がたくさんあるのも魅力の一つなのだとか。外で実物の岩に登るのも、ジムで登るのも、大会も、楽しみ方の一つだと羽鳥さんは語ります。
壁と自分との向かい合い――自分を見つめなおせるスポーツ
ボルダリングを始める前も、水泳などの個人競技が好きだったという羽鳥さん。
すべて自分の責任ででき、自分と向き合ってできるのが性格に馴染んでいるそうです。
「競技としては人と比べなきゃいけないこともあるんですけど、ボルダリングは自分と壁との対面なので、他人と比べるよりも自分と向き合うことが大事だと思っています」
体格によっても難易度が左右されるボルダリング。
決められたホールド(壁に付いている石のこと)しか使えないというルールがあり、少々小柄な羽鳥さんは、次のホールドに手を伸ばしても届かないことがしばしばあります。
そんな中、体格の大きい人が手を伸ばしただけで難なく掴んでいるのを目にすると、やはり悔しく思うと言います。
競技において不利な場面もあるようですが、しかし羽鳥さんは前向きに努力を重ねています。
「自分次第で前進できるのがボルダリングの良いところだと思います。登りたいと思って、そのために努力をして結果が出たときは嬉しいし、自己肯定感が持てます」
どうしても届かないときは、ジャンプをして飛び移ることもあるとか。
怖さはあっても、そうすることで体格的に不利な課題もクリアできるようになったそうです。
「自分は自分らしく」、と一歩一歩進んでいく強さが感じられました。
羽鳥さんオリジナルの壁“YUI’S SESSION”

現在羽鳥さんはボルダリングジム&ショップFREEDOMで働き、トレーナーとしての一面も持っています。
同ジムでは定期的にイベントを開催していますが、その1つとして羽鳥さんがオリジナルのコースを作り、会員の皆さんで挑戦する“YUI’S SESSION”があります。
「こうやったら楽しいんじゃないか、って考えながら作っています。私は自分が小さいので、それを活かして、大人や体格のいい人が狭くて苦労するような課題を作っています」
ほかのジムにはなかなかない、小柄な方視点の課題。
羽鳥さんだからこそ作れる独特の課題が人気を集めています。
今後の目標と理学療法士の夢
羽鳥さんは2015年から、大会はユースではなく青年部出場になりました。
今年(2016年)は青年部として2回目の大会で、緊張よりもさらなる期待に心を躍らせているようです。
「自分自身を見つめて、去年の自分より強くなる、昨日の自分より強くなる。そうやって、外でもジムでも楽しんでボルダリングをやれればいいなと思っています」
ボルダリングを楽しんで続け、着実に強くなるのが目標とのこと。
今後の大会でも活躍の期待が高まります。
また、私生活面では学業への意気込みを語ってくれました。
現在学生の羽鳥さんは、理学療法士を目指して日々勉学に励んでいます。
理学療法士とは、リハビリの専門職です。
体をどう動かせばどのように動くかなど、筋肉の勉強が多いと言います。
難しいようですが、自分の筋肉も診られるようになる、と熱心に取り組んでいます。
理学療法士を目指すきっかけも、実はボルダリングでした。
外へ登りに行った際、たまたま理学療法士の方と出会い、自分もこの仕事をやってみたいと思ったそうです。
ボルダリングを通して夢も見つけ、その夢に向かって歩んでいる。
その姿は輝かしいパワーに満ち溢れていました。
Information
羽鳥唯さん
神奈川県を代表する女子ボルダリング選手。
2015年3月に開催されたクライミング・日本ユース選手権2015では神奈川県代表選手に選ばれ、ジュニア女子の部門において6位の成績を修める。今後も青年部の大会に出場予定。
現在はボルダリングジム&ショップFREEDOMにてスタッフとして働きながら、理学療法士への道を歩んでいる。
ボルダリングジム&ショップFREEDOM
神奈川県横浜市青葉区つつじヶ丘1-7 パークサイド佐藤1階
Tel:045-532-3651
Web:http://b-freedom.com/