(後編)現代の母、それぞれの選択・働き方


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夫婦共働きが普通になってきている世の中。主婦業をできる範囲で、という制限がある以上、お母さん方はそれぞれ工夫して働く必要があります。
キャリアアップ&チェンジ座談会、後編ではお母さん方の働き方とバランスに焦点を当てました。

大好評のママ座談会第4回、今回は出産後仕事に復帰するママたちのキャリアアップやキャリアチェンジについてお話していただきました。人物紹介Iさん(写真右)4人のお子さんを持ちながら自宅で整体サロンを営む。ツボ押し中心のすいな整体とリフレクソロジー、台湾式...

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人物紹介

Iさん(写真右)
4人のお子さんを持ちながら自宅で整体サロンを営む。ツボ押し中心のすいな整体とリフレクソロジー、台湾式足つぼマッサージがメイン。第一子は先天性の障がいを持つ。結婚前は医療秘書。

Kさん(写真左)
3月に資格を取り、4月から介護職員として勤務。出産前にセラピスト経験が10年あり、アロマトリートメントの講師も月に何度かのペースでやっている。お子さんは1歳。

Sさん(写真左から2人目)
育休が終わり結婚前から務めていた金融系の会社に復帰。営業職。元いた職場は片道1時間半かかるため転勤が決まるまで時短勤務。お子さんは1歳。

―――Sさんは産休・育休から会社に復帰する選択をされましたが、専業主婦という選択はなかったのでしょうか?

Sさん:もともと高校生ぐらいのころは専業主婦になりたかったんですけど、なかなかそうはいきません。子どもが幼稚園に入ってからその時間だけパートをするのが理想なんですけど、パートの時給を考えると今の仕事をやめるのはもったいないかなという感じですね。あまりキャリアアップは考えていないので、現状維持をできればと思います。

―――Iさんはお子さんの関係もあって、専業主婦は長いんですか?

Iさん:もう16年ぐらいですね。仕事は辞めざるを得なかったんです。お兄ちゃんが生後7か月で障がいがわかったので、その時点で保育園を探しても、“命に関わる事故があっても園は責任を負いません”っていう一筆を書いてくださいと言われたのであきらめました。最近 “障がい児の母は9割が働けない” って話題にもなっていたんですけど、まさにその9割ですね。完全に手が離れるまではパートも無理なんです。いつ学校から呼び出しが来るかわからないので、私には自分でスケジュール調整ができる自宅サロンが良いかなと思っています。

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―――今はどれくらいのペースで仕事をされているんですか?

Iさん:基本私の空いている時間ですが、子どもが多くて、それなのにいろいろなPTA役員にも手を出してしまっているので、1か月フル稼働ですね。ありがたいことに今月はほぼ予約が埋まっている状態です。

Kさん:自分に合っていて好きなことだったら楽しいから大変じゃないと本で読みました。やっぱり実際にそうなんですね。

Iさん:施術自体は大丈夫なんですけど一番下の子が一緒にいるので、この子が大変です(笑)。サロンの準備の時はおとなしいんですが、施術が始まったとたんに思い通りの動きをしなくなるので、あやしながら仕事してます。来てくれる方もこの子がいるってことを前提に来て下さっています。

Kさん:一時Iさんと私ともう1人と月1回子どもを見ながら施術をするイベントをやっていたんですよね。子連れOKのイベントで、この子も連れて行ったんですけど、すごく心身ともに負担になったんです。Iさんのお話を今聞いていて「好きなことだったら負担にはならないんだな」と感じました。私が同じようにやったらたぶん体壊しちゃうような気がします。

Iさん:私の場合は3人目の子が生後10か月の時に資格が取れて、次の日からもう自宅サロンを始めたので、子どもがいながら施術をするということに慣れていたんでしょうね。

全員:それもすごいですよね。

Iさん:思い立ったら吉日じゃないですけど、資格を取る前から自宅サロンはああしようこうしようと考えていました。周りに“え? もう?”と言われたくらいです(笑)。

特に出産後夫婦共働きを考えるお母さんにとっては主婦業もしながら無理のない範囲で働けるような環境が理想のようです。キャリアアップを目指していくというよりは、子育てや家族を優先できる仕事・働き方がもっと増えていくのが望ましいのかもしれません。

忙しすぎると授かりにくい!? 出産と仕事のバランス・保育園の壁

―――Kさんは介護の仕事はいつからフルタイムになるんですか?

Kさん:それも悩んでいるんです。今は子どもを認可外保育園に入れて週3日働いているんですけど、認可に入るためにはフルで働かないといけないんですよ。ただ2人目を考えるとフルタイムの仕事はどうかなと悩んでしまって。実はこの子が産まれる前は仕事がハードすぎてなかなか授かれなかったんですよ。不妊治療の病院に通うにしても忙しすぎて通えなかったので前職を辞めたんですね。それで辞めてから心も体も楽になったと思ったらすぐにできたんです。だから仕事が忙しくて時間のない生活をしているともしかしたら授かりにくいのかなと考えてしまって。

―――ほどほどくらいの方がいいんでしょうかね。

Kさん:どうなんでしょうね。もしなかなか授かれなかったら病院に通いたいんですけど、病院って連日行かなきゃいけないんですよ。明日来てくださいとか言われるんです。いろいろな人の話を聞くと、会社が理解があって病院に行く時間だけ外出させてもらえるとか、うまく働いている人もいるんですけど、働き始めたばかりでそういうわけにもいかないだろうしとか考えると時間の余裕があった方がいいのかなって悩んでます。

―――ワークライフバランスは大事ですよね。確かにずっと家にいるのも少しつまらない。かといってがつがつと働きすぎるのも体を壊してしまう。丁度いい塩梅が理想。でも保育園にはフルタイムじゃないと入れない。想いと制度の板挟み状態。

少子化問題が深刻化する一方、産みたくても産めない、時間にも気持ちにも余裕を持てず授かれないような状況があるのが現実。出産後の職場復帰の制度とともに、女性が子どもを産み育てやすい環境を考えていく必要があるのかもしれません。

あとがき

女性のキャリアアップ・キャリアチェンジ、今回はお子さんのいるママさんたちのお話をお送りしました。
共通して言えることはどんな働き方であっても、家事・育児を率先していく立場から、なかなか男性のようにフルタイムで、さらには残業も、という働き方はできないママさん。
中にはキャリアアップを目指して働く方もいらっしゃいますが、仕事と家庭生活、無理なくバランスよく働ける環境が理想のように感じられました。

座談会を開催したお店「アートギャラリーCafé MOKO」

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:Blanchechou編集部

Information

アートギャラリー Café MOKO

〒221-0021 神奈川県横浜市神奈川区子安通3-319
アクセス:新子安駅出口から徒歩約6分
Tel:
045-453-0203
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜

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