女性の様々な生き方を紹介するコラム。第6回は横浜税関にお勤めの清水早苗さんにお話しを聞くことができました。
現在は横浜税関広報広聴室に所属する清水さん。
これまでの経緯からお仕事の内容、私生活等について幅広くお話しいただきました。
そもそも税関って何をするの? 税関の仕事
そもそも税関が何をしているのか、わからない方も少なくないのではないでしょうか。
まずはその仕事内容について伺いました。
税関は財務省に属する行政機関で、全国を9つに分けて管轄しています。
横浜税関では、神奈川県をはじめ、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県(東京税関の管轄の成田市などを除く)を管轄しています。
税関の役割は大きく分けて3つあります。
主にこれら3つの仕事を、全国各地の税関官署で行っています。
(1)輸入・輸出品のチェック
輸出入が禁止されている物品の国内流入を阻止するため、先進技術を導入した検査機器で取り締まっています。
覚せい剤や麻薬等の不正薬物、銃器等の武器、知的財産侵害物品(いわゆる偽物や海賊版)が輸出入されていないか、小さな荷物から大型トラックまで、くまなくチェックします。
(2)適正かつ公平な関税等の徴収
輸出入の際に必要な手続きに伴う審査を行い、適切に税を徴収します。
輸入品に課税する関税のほか、消費税、酒税、たばこ税等の、様々な税を適正かつ公平に徴収しています。
(3)貿易円滑化の推進
国際基準に則ったAEO(Authorized Economic Operator)制度の推進や、輸出入通関関係の書類の電子化・ペーパーレス化を図ることなどにより、貿易の円滑化に貢献しています。
上記の中でもさらに細かく職務が分かれており、人事異動により職員は様々な仕事を経験します。
それぞれ専門的な知識が必要とされるので、別部署に異動の際はそのたびに転職をするような感覚だとのこと。
職場の異動は2~3年に1度あり、職員は管轄地域内での異動や、場合によっては財務省へ出向することもあるそうです。
清水さん自身も入関してから間もなく、仙台への異動を経験しました。
当時は前述した(1)と(2)の仕事をしており、場所は違うとはいえ、横浜でやっていた業務と同じことを仙台でやる、という感覚だったと言います。
チームワークで助け合い――温かい雰囲気の職場
清水さんは大学卒業後横浜税関に勤め、早や10年以上となります。
それまでは全く税関との関わりはなかったそうですが、業務説明会等での職員の方々の丁寧で温和な対応と、横浜出身のはまっ子で横浜市歌に長年なじみ深かったことから、横浜税関への関心と入関志望の気持ちを高めていきました。
「横浜市歌は横浜市立の学校では歌う機会が多くて、ずっと歌ってきたんです。開港50周年を記念して作られた歌で、横浜の港のことを歌っているんですよね。ですので、その頃から横浜の港というイメージが染みついていました。実家から海が見えることもあって、海には親しんでいたと思います。それから、貿易の仕事に憧れていたこともあります。密輸取り締まり等も社会に役立つ仕事だということを感じたので、こちらを志望しました」
チームワークが必要な業務が多いことから、職場にはみんなで協力してお互いに助け合っていこうという雰囲気ができているようです。
「皆さん優しい方ばかりで、とても仕事がしやすい職場です。例えば急に体調が悪いとか、お子さんが風邪ひいたとか、親御さんの介護とか、そういう場合も、みんなそうだからということで分かってくださいます。男女関係なくお休みを取って対応していますし、それをまわりで支えていこうっていう職場ですね」
横浜税関に入関後、清水さんは仙台への単身赴任や金融庁への出向等を経験し、2015年7月から現在の広報広聴室所属になりました。
業務内容は横浜税関の資料展示室「クイーンのひろば」での学生向けの案内や、街頭キャンペーン、小中学校での薬物乱用防止教室の実施や職業講話への参加、税関職員向けの広報誌の作成等の活動です。
そんな清水さんが語る、広報広聴室所属になってからの心に残る出来事は、小中学生の生徒さんとの出会いなのだとか。
「税関では職場体験もやっているんですけど、来ていただいた学生さんたちに、“税関って良い職場ですね”とか、“笑顔がとても印象的でした”って言われたのがとても感慨深かったですね。帰るときにはみんな喜んでくれるので、もっと頑張りたいなと思いました」
展示室の案内等で学生さんたちにお話しし、税関のことを知ってもらえる仕事に携われることが楽しいという清水さん。
清水さんの笑顔が印象的だったという感想をもらったこともあり、仕事を楽しんでやっていることは伝わるのだということを実感したそうです。
お互いに支え合える夫婦関係
清水さんは現在ご主人とお2人で暮らしています。
ご主人も税関職員で、同期だったとか。
「お互いに仕事を理解しているので、支えてもらえます。私が疲れているときは何も言わなくてもわかってもらえますし、お互いにこういう仕事をしているというのも想像がつきます。職場の人も知り合いだったりするので、そういう面は良いと思います。今主人は財務省の方に出向しているんですけど、そこでの仕事はすごくハードで、なかなか家のことはできないんですよ。その大変さがわかるので、2人で1つのような感じで、家のことは私が2人分やっています」
ウィークデーはお互い仕事が忙しい清水さんご夫婦。土日はのんびり家の周りを探索したり、おいしそうなお店に入ってみたり、2人でゆっくりと過ごす時間が今はとても楽しいと言います。
また、今後は生涯スポーツを始めたいとの思いを話してくれました。
清水さんは3歳の頃から水泳、中高生の頃にはソフトボール、大学ではテニスをやっていました。
競うことが苦手という清水さん。自分のペースで楽しめるスポーツ、水泳やテニスをやりたいそうです。
もっと税関を広く知ってほしい――今後の目標
最後に、仕事・私生活両面での今後の目標をお聞きしました。
「仕事では、もっと税関の歴史や業務等を勉強して、税関へのお問い合わせにすぐお答えできるようにしていきたいと思います。展示室の中の企画も考えていいよと言われているので、それも企画していきたいです。あとは、お声がかかったらもっと積極的に学校で税関の仕事についてお話したいですね」
税関への問い合わせは専門的なものばかり。どの部署に問い合わせればいいのかわからず広報に問い合わせてくることも多いそうです。
その都度清水さんは該当部署を調べ、伝えています。
この調べるという過程を短縮するべく、税関に関連する知識をより深めていきたいとの抱負を語りました。
私生活面では、日々の生活を丁寧に頑張りたいとのこと。
仕事をしながら家事もこなすのはなかなか厳しいものですが、栄養バランスのとれた食事を作るなどを心掛けたいと話しました。
編集部より
2月26日のBlanchechou本オープンに対して、清水様よりお祝いコメントをいただきました。
「Blanche chou 本オープン、おめでとうございます。多くの女性から愛されるウェブマガジンとなりますことをお祈り申し上げます。私も一人の読者として、様々な情報を届けていただくことを楽しみにしております。」
ありがとうございました。
Information
横浜税関資料展示室「クイーンのひろば」
横浜税関資料展示室クイーンのひろばでは横浜港・横浜税関の歴史や税関の職務内容等について詳しく紹介しています。
実物のブランド品と偽物を見分けるクイズ展示や映像による紹介など、充実の内容で楽しみながら学べます。
入り口では税関のイメージキャラクターのカスタム君がお待ちしています!
開館時間:10:00~16:00(5~10月は10:00~17:00)
入館無料
休館日:年末年始、施設点検日
お問い合わせ
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