みんなが住みやすい街づくりとは?ー大切にしたい地域に根付く縁

女性の様々な生き方を紹介するコラム第12回は、大倉山を拠点に地域のつながりを広げる活動を精力的に行っている鈴木智香子さんです。

たくさんのNPO法人の方々と関わり、高齢者や障がいを持つ人、子どもの貧困貧困問題にも積極的に取り組んでいる方です。現在、大倉山の地域の人々を結ぶコミュニティカフェを運営しつつ、家庭状況が貧しい子ども達のために「子ども食堂」の企画をしたり、認知症の方の介護に悩みを抱えている介護者さん同士が語り合える会を開いたりされています。

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このような活動をされるようになったのは、12年前に札幌へ転勤した時、古くなった旭山記念公園の再整備に関わったことがきっかけだそうです。

スノーキャンドルや氷で家を作る体験など、子供も大人も楽しめる様々なワークショップの企画がとても新鮮で面白いと感じた鈴木さんは、横浜に戻ってからも同じようなことがしたいと思うようになりました。

そこで、今から10年ほど前に横浜市の普段あまり人がいない公園へ、子供たちや仲間と一緒に絵の具や遊び道具を持って行く「公園あそびの会おるたん」を始めました。

「公園遊びの会おるたん」で仲良くなったお母さんたちと活動交流するうちに、大倉山に住むクリエイティブな仕事をしている女性達とサロンや交流会を一緒に開きたいと思い「大倉山文化村」という集まりを立ちあげました。その後、大倉山のエルム商店街さんから大倉山産はちみつの事業を一緒にやっていこうという話が大倉山文化村の鈴木さんの元へやってきました。その提案を受けて、はちみつだけじゃなく地産地消を意識した料理を提供し、地域の人々同士が交流できるカフェ「大倉山ミエル」を立ち上げました。

※商店街の大倉山ミエルは現在閉鎖となってしまいましたが、まめどスペース結という場所でレンタルスペース兼カフェを続けています。
大倉山ミエルのランチ記事はこちら

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その後も次から次へと人とのつながりが広がっていき、地域の人々が活躍できて繋がることができる場「大倉山おへそ」をエルム商店街の振興会館を活用して立ち上げました。

お互い助け合える「新しい地縁」を築く場所「大倉山おへそ」

「大倉山おへそ」は、「大(O)倉山の人(H)と縁(E)をソ(SO)ーシャルで結ぶ」という意味がこめられています。

普段は、高齢者の方々が歌をうたうサロンや工作のワークショップ、お母さんたちの朝活イベントなどが行われており、地域の人々が交流できる場となっています。また、地元の商店会の情報発信もしています。

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「大倉山おへそ」は、3.11をきっかけに鈴木さんや地域のお母さんたちは危機が訪れた時に地域で助け合える「新しい地縁」が欲しいと思い、立ち上がったそうです。

「新しい地縁」とは昔のような煩わしい人間関係ではなく、顔が見えるような、地域で助け合えるような関係のことです。

地域に根ざしたいと思っているけども、どこに行けばいいかわからない、町内会や子供会で役員をやっている間は組織の中で人々と関わっているけども、役員ではなくなったらあまり関われなくなる。地域のお母さんたちは、何か所属団体によるつながりではなく地域のつながりを求めていました。

「昔は困っている人がいたら地域で助け合っていたけど、今は行政の役目になっている。でも、今後も行政が全てをカバーできるわけではなくて、地域の中での支えあいが必要となってくる」

鈴木さんや地域のお母さんたち、他のNPO団体の方々も、この先の地域社会のあり方に危機感を感じており、いま他の人々の支えが必要と感じていない人々にも地域のつながりの大切さを少しでも意識してもらいたいと願っています。

超高齢化社会になる10年後に向けて

行政の社会福祉支援が縮小しつつある中、これからますます高齢化が進んでいくため、この先の10年後が大変だと鈴木さんは語りました。

「障害を持つ人や介護を受けている人たちと地域の中でともに生きていかないと、そうではない人たちも逆に不幸。多様性を経験できないから」

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福祉や子育ての団体に所属していない一般の人々にとっても、鈴木さんを含め、地域で社会福祉に取り組む人々がどんな思いで地域をつなげていこうとしているのか知ってもらう必要性があると鈴木さんは語りました。現代人は隣の人に関心がなくても暮らしていくことができるため、顔が見える関係性を築いていこうとする意図がわからないという人が多いからだそうです。

たしかに「地域の中の助け合いって、どんな時に自分に必要なのかわからない」という人が多いのが現状です。しかし、突然の災害や事故などで、自分や自分の家族、大切な人がもし色々な人の助けが必要となってしまった時に、行政に頼ることができなくても、助けてくれる地域の人々がいると分かっていると安心ですよね。

このような地域の人々を結ぶ活動は、大倉山の人々だけでなくても意識しなければならないものかもしれません。

鈴木さんは大倉山ミエルや大倉山おへそだけでなく、コミュニティカフェの社会的な機能を見える化させたり、現場見学会やオープンしたい人向けにセミナーを開催している「横浜コミュニティカフェネットワーク」という団体にも所属して活動しています。

つながりが広がる場作り、人と人が顔の見える関係づくりをしたいと思う人を増やして支援する活動もしており、鈴木さんの今後の活躍が楽しみです。

大倉山おへそ
住所:横浜市港北区大倉山2-5-11
web:http://www.ok-oheso.com/
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