ゲシュタルトの祈り 私は私であり あなたはあなたである Vol.2 ~ 岡田法悦

ブランシュシュの大きなテーマは、女性の「転機」。
結婚や出産、キャリアチェンジなど、今を生きる女性たちには、さまざまな転機が訪れます。
自然に自由にわがままに自分の人生を選び、生きるための知恵やヒント、そして気づきが得られるような情報をお届けいたします。

ゲシュタルトセラピーのファシリテーターであり、ゲシュタルト・インスティテュート株式会社代表取締役の岡田法悦さんにお話をお聞きする2回目。

人間関係がうまくいかない、何をやっても失敗ばかり。「私って不器用だから……」そうつぶやいて自分を納得させようとしても、やっぱり落ち込む自分がいる。

実はそれ、幼い頃に学んでしまった失敗パターンかもしれませんよ。

今が苦しい、一歩前に進みたいのに進めない。やりたいことが見つからない。
人生の迷路に入り込んでしまったあなたへ贈ります。

※ゲシュタルトセラピー:ゲシュタルト心理学、精神分析、実存主義・現象学などをベースに、1950年代のアメリカでパールズ夫妻、P.グッドマンらによって開発された心理療法です(ゲシュタルト・インスティテュートのwebサイトより)。
※ファシリテーター:カウンセリング場面における「カウンセラー」に当たる人を、ゲシュタルトセラピーでは「セラピスト」あるいは「ファシリテーター」と呼びます(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)。

 

ゲシュタルトファシリテーターがマンガになる!?

ブランシュシュ:マンガ家の田房永子先生が描かれた「キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~」という作品に登場されていますね。また、12月と1月にはお二人のコラボレーションでのワークショップを開催されたとか。田房先生との出会いは、ゲシュタルトワークショップだったのですね?

岡田さん:そうです。「キレる私をやめたい」。怒りというのは誰にでもある感情です。ただし、子どもの頃から引きずっている心の傷が、たまたま今起きている何か、田房さんの場合だったら夫の一言とかに刺激されて、それでキレてしまうというのは良くないんです。健康的ではないですね。

ブランシュシュ:子どもの頃の体験ですか~。何回くらいのワークでそういった感情が手放せるものですか?

岡田:田房さんの場合、ワークはそれほど回数は重ねていなかったです。
私のところの個人セッションは通常3回で一区切りです。ただ3回で終わりになる人もいれば、4、5回といらっしゃる人もいます。ご相談の内容によって、個人差がありますよ。
田房さんは「キレる私をやめたい~」のマンガを描く前に、お母さんとの関係をやはりマンガで描いているんです。だからお母さんとの関係が自分がキレるという状態に、何かしらの影響をしているだろうという意識はあったのだと思います。
それで実際にワークしてみたら、お母さんだけではなく、色んなものが出てきたという感じでしょうね。
田房さんの場合もそうですが、最近ワークをご一緒していて感じるのは、現在抱えている悩みや問題が、親との関係性だけじゃなくて、もう一世代前のことが影響していることです。

※ワーク:「今・ここ」で起きていることを体験し、気づくためにすること(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)。

失敗パターンのループ 世代を超えた家族間の影響とは?

ブランシュシュ:それはおじいさん、おばあさんですか? 一緒に住んでいるからでしょうか?

岡田さん:一緒に住んでいなくても影響があるんですよ。

ブランシュシュ:祖父母からの影響が親を通して子どもにいくということですか?

岡田:そうです。祖父母とは、子どもからすると自分の親の親。そうすると、祖父母が自分の親に対して間違いなく影響を及ぼしています。ということは、子どもに祖父母からの影響がないわけがないんですよね。
子どもの時は、まず家族との生活に適応していく自分を作っていかなくちゃいけないですからね。だから、親だけでなく、その家族に属する全員から影響を受けるんですよ。
そういう意味で家族三代くらいは影響しあうんですよね。

ブランシュシュ:家族の中では適応していても、外に行った時には不適応になることもあるのでしょうか?

岡田さん:あの時の適応は、場が変われば不適応になることもあります。
あの時の適応=子どもの頃の適応というのは、まだ言葉をあまり持たない大体3歳くらいまでの頃をいいます。
そのくらいの年齢の子どもは、外からの刺激が直接感情に入っちゃうんですよ。思考を通さずに。それで違和感があっても、それを子どもなりに工夫して調整して、自分がより快適にいられるようにします。人との関わり方や、刺激を受けた時の反応の仕方を、子どもなりに習得しようとするんでしょうね。自分が傷つかないように、辛くならないように学んでいくんです。そして、その学んだ方法を繰り返しているうちに、それがパターン化されて、人に対する反応や刺激を受けたときの反応の仕方が固まってしまいます。
そして大人になっても、その反応の仕方でずっと生きていこうとするんです。でも、そもそも違う場のやり方を習得しているので、どうしても世の中とズレまくります。その結果失敗する。そして、その失敗をなんとか自分なりに、リカバリーしようとするんですが、実はそのリカバリーの仕方も違う場のやり方から学んだ方法なので、結局また失敗する。

ブランシュシュ:ずっと間違え続ける……怖くなりますね。リカバリーの仕方も3歳くらいに学んだ方法ですか?

岡田さん:ケースにもよりますが、感情的に根の深い問題の場合には、やはり3歳くらいでしょうね。
それがもうちょっと軽いケースになると小学校6年くらいまでに学んだやり方です。
その間に身につけた方法でリカバリーしようとします。
でも、さっきも言ったように、そもそも場違いな方法を学んでいるので、そのやり方では何回も失敗するんですよ。そして失敗体験がどんどん積み重なっていき、積み重なれば積み重なるほど、躍起になってリカバリーしようとするので、だからとてもキツイし、苦しいし、痛い目に何回も合うんです。

ブランシュシュ:苦しいと分かっているのに、一度学んでしまったパターンはなかなか手放せないものですね。

岡田さん:そう。日常生活の中ではなかなかね。だからこそ、私たちのような専門家が必要なんですね。カウンセリングルームを気軽に活用してほしいと思います。

次回へ続く。3回目「カップルセラピー 縛られない関係って!?」



この記事を書いた人
ブランシュシュスタッフ

岡田法悦

1986年の故ポーラ・バトム博士との出会い以来、一貫してゲシュタルト・セラピーの日本における普及活動に取り組む。1990年にはバトム博士と共にGNPR(環太平洋ゲシュタルトネットワーク・現GNJ)を設立し事務局をつとめる。
現在、個人/グループカウンセリングおよび定期的なゲシュタルト・セラピスト養成ワークショップなどを開催している。

  • 1972年中央大学理工学部中退
  • 1987年ゲシュタルト・インスティテュート株式会社設立
  • 日本ゲシュタルト療法学会副理事長(2011/1~2016/3)
  • 日本ゲシュタルト療法学会スーパーバイザー
  • GA(ゲシュタルト・アソシエイツ)顧問ファシリテーター
  • (社)日本産業カウンセラー協会認定シニア産業カウンセラー(第C1000010号)
  • 2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格・第08S1740883号)
  • 著書:「実践〝受容的な〟ゲシュタルト・セラピー」(ナカニシヤ出版)
  • 訳書:「LIVE NOW・今を生きる」(ポーラ・バトム著、チーム医療)
  • ビデオ:「『今、ここでの気づき』ゲシュタルト・アプローチ」(共編、チーム医療)
  • ビデオ:「ゲシュタルト療法の理論と夢のワーク」 (チーム医療)
    (ゲシュタルト・インスティテュート(株)ホームページより)

 

Web:ゲシュタルト・インスティテュート株式会社

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