ゲシュタルトの祈り 私は私であり あなたはあなたである ~ 岡田法悦

ブランシュシュの大きなテーマは、女性の「転機」。
結婚や出産、キャリアチェンジなど、今を生きる女性たちには、様々な転機が訪れます。
自然に自由にわがままに自分の人生を選び、生きるための知恵やヒント、そして気づきが得られるような情報をお届けいたします。

今回は、ゲシュタルトセラピーのファシリテーターであり、ゲシュタルト・インスティテュート株式会社代表取締役の岡田法悦さんにお話を伺いました。

今が苦しい、一歩前に進みたいのに進めない。やりたいことが見つからない。
人生の迷路に入り込んでしまったあなたへ贈ります。

3回シリーズの1回目。

※ゲシュタルトセラピー:ゲシュタルト心理学、精神分析、実存主義・現象学などをベースに、1950年代のアメリカでパールズ夫妻、P.グッドマンらによって開発された心理療法です。(ゲシュタルト・インスティテュートのwebサイトより)
※ファシリテーター:カウンセリング場面における「カウンセラー」に当たる人を、ゲシュタルトセラピーでは「セラピスト」あるいは「ファシリテーター」と呼びます。(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)

ゲシュタルトセラピーって何?

ブランシュシュ:ゲシュタルトセラピーってなんでしょう?

岡田さん:最初から間口の広い質問できましたね。「今、ここで、自分に起きていることを、体験し続けること、以上」です。(笑)

ブランシュシュ:そうなんですね!(笑)
ゲシュタルトセラピー(以降、ゲシュタルト)は、どういった症例に有効なのでしょうか?

岡田さん:幅広く、色んなことに有効だと思います。
何か悩みがあって、それをどうにかしたい人にはもちろんですが、自分のしたいことが見つからない、進む方向が分からない、どう進めばいいのか分からない。そういった迷いや葛藤でなかなか先に進めない方にもいいと思いますよ。
ワークをすると、「今、ここ」で自分が、どうしたいのか?自分にとってベストな選択ができるようになります。

※ワーク:「今・ここ」で起きていることを体験し、気づくためにすること。(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)

ブランシュシュ:セラピーというと、今ある悩みを解決したい。そんなイメージがありますが、それだけではないのですね?

人は誰でも自由に選択できるんです

岡田さん:「選択」がゲシュタルトのキーワードの1つだと思います。
人間は本来、どんなことでも自由に自分で選択ができるはずなんです。でも、ゲシュタルトのワークをご一緒していると、選択することを自分で止めてしまっているというケースをよくみます。

ブランシュシュ:選択することを自分で止めてしまっている? それはどうしてでしょうか?

岡田さん:昔からの癖でそうしてしまったり、何かの枠を自分にはめてしまっているからだと思います。あえて自分自身を不自由な状態にしてしまうんですね。
その枠を取り除いて、今の自分にとって一番いい選択は何だろうか?
思考、頭のレベルではなく、感情感覚、身体レベルで気づいて、選択する。
「あっ、これだ!」みたいに直感的に選ぶ、そういうことが出来るのがゲシュタルトなんです。

ブランシュシュ:その選択は自分でしていると気づかないものでしょうか?
それとも気づきたくないのでしょうか?

岡田さん:気づきたくないのもあるでしょうね。

ブランシュシュ:気づきたくないのは、その選択が万が一間違いだった場合、それを認めたくないからですか?選択した結果の責任を持ちたくないからでしょうか?

岡田さん:責任という言葉はちょっと重たいかもしれないですが、でも、確かにそうなんですよ。自分で選んだことには責任が発生します。選んだ結果が上手くいかなかった時、それを周囲のせいにしたり、環境のせいにしたりすることは人間誰もがよくやることだと思うんですよ。自分が選んだ結果が上手くいかないと、自分がきつくなりますからね。
だから、自分で選んだのではなく、誰かにやらされていると思い込む。そしてそう思い込んだまま生きていくこともできるんです。

感じるということ

ブランシュシュ:確かに、多かれ少なかれ人間誰もそういうところはあるように思います。
ところで、心理学の療法は沢山ありますが、岡田さんはどうしてゲシュタルトを選ばれたんですか?

岡田さん:私はゲシュタルトをやる以前、今は再決断療法と言われているTAゲシュタルトを学んでいたんですよ。でも、TAゲシュタルトをやっていくうちに、TAを取った純粋なゲシュタルトはどういうものなのか?と興味が出てきました。それで、その頃来日していた故ポーラ・バトム博士のトレーニングコースに行ってみようと思ったんです。そこでゲシュタルトにはまってしまったというわけです。

ブランシュシュ:ゲシュタルトのどのようなところにはまったのですか?

岡田:感情ですね。

ブランシュシュ:感情?

岡田:感情です。私は元々思考タイプの頭人間で、頭だけで生きているような、感情が感じられない人間だったんです。自分が何を感じているのかが分からない、嬉しいのか悲しいのかも分かりませんでした。
自分がワークをしている時に、一度絵を描いたことがありました。それは首のところで切れている絵でした。頭と胴体が切り離されている絵だったんです。(笑)
それ位感情が苦手で、感情を感じなさいって言われると途端に分からなくなってしまうんですよ。

ブランシュシュ:感情を感じられるようになるまで、どの位かかったんですか?

岡田:実は覚えていないんですよね。でも、ワークは貪欲にやりました、そういう中で、段々と感情を感じられるようになっていったんだと思います。

ブランシュシュ:ゲシュタルトファシリテーターになるには、感情を感じるということは大切ですか?

岡田:ええ。ファシリテーターをやる時には、自分の感情が、ワークをする人の感情感覚をキャッチするためのセンサーになります。だからそのセンサーが使えないと、ファシリテーターはできないですね。

※ワークをする人:カウンセリングの場面における「クライアント」に当たる人です。(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)

ブランシュシュ:岡田さんがファシリテーターになろうと思ったのは何年位前ですか?

岡田:20何年か前でね。
ポーラから離れて、自分なりにやってみようと思ってワークショップを始めたんです。
できるかできないかというのは分からなかったんですが、やってみたいという思いだけで始めました。今考えてみると、大変未熟でしたね。

※ワークショップ:ゲシュタルトセラピーは、多くの場合グループで行います。グループでワークをする場と機会を、グループワークショップあるいは単にワークショップと呼びます。(実践”受容的な”ゲシュタルト・セラピー 岡田法悦著より)

ブランシュシュ:ファシリテーターをやっていて、気持ちいいな〜と思うことはありますか?

岡田:それがあるからずっとやっていられると思うんですよ。
かなり大変な状態の人が、ワークの最後の最後のところで「これだ!」みたいなことを掴んでくれると、気分がいいですよね。もちろん、毎回いい感じで終わるということではないですけど、でもほとんどのワークがいい感じで終わりますから、そうするとこちらもすっきりします。それが私のストレス解消になっていますね。(笑)

ブランシュシュ:本当ですか?すごいですね~。

岡田:ワークをご一緒して、そのワークがいい感じで終わったらストレスも飛びますよ。
それはワークをご一緒しながら、私自身も色んなことを感じようとしていますからね。だから、ワークをしている方が苦しい時はこちらも苦しいですし、反対にそれがパーッと晴れた時には、こちらも気持ちがパーッと晴れるんですよ。

次回へ続く。2回目「ゲシュタルトがマンガ!?」
「キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで」の著者 田房永子さんとの出会いと世代間の問題についてをご紹介します。



この記事を書いた人
ブランシュシュスタッフ

岡田法悦

1986年の故ポーラ・バトム博士との出会い以来、一貫してゲシュタルト・セラピーの日本における普及活動に取り組む。1990年にはバトム博士と共にGNPR(環太平洋ゲシュタルトネットワーク・現GNJ)を設立し事務局をつとめる。
現在、個人/グループカウンセリングおよび定期的なゲシュタルト・セラピスト養成ワークショップなどを開催している。

  • 1972年中央大学理工学部中退
  • 1987年ゲシュタルト・インスティテュート株式会社設立
  • 日本ゲシュタルト療法学会副理事長(2011/1~2016/3)
  • 日本ゲシュタルト療法学会スーパーバイザー
  • GA(ゲシュタルト・アソシエイツ)顧問ファシリテーター
  • (社)日本産業カウンセラー協会認定シニア産業カウンセラー(第C1000010号)
  • 2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格・第08S1740883号)
  • 著書:「実践〝受容的な〟ゲシュタルト・セラピー」(ナカニシヤ出版)
  • 訳書:「LIVE NOW・今を生きる」(ポーラ・バトム著、チーム医療)
  • ビデオ:「『今、ここでの気づき』ゲシュタルト・アプローチ」(共編、チーム医療)
  • ビデオ:「ゲシュタルト療法の理論と夢のワーク」 (チーム医療)
    (ゲシュタルト・インスティテュート(株)ホームページより)

 

Web:ゲシュタルト・インスティテュート株式会社


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