「Anita Inner World Evolution 番外編」 世界的タンゴ歌手 冴木杏奈さんが語る 「命を活きる」 Vol.3「想い」

ブランシュシュの大きなテーマは、女性の「転機」。
結婚や出産、キャリアチェンジなど、今を生きる女性たちには、様々な転機が訪れます。
自然に自由にわがままに自分の人生を選び、生きるための知恵やヒント、そして気づきが得られるように、様々なジャンルで活躍し、輝いている女性にお話をお聴きします。
このコーナーでは、世界的タンゴ歌手の冴木杏奈さんにお話を伺いました。
ご自身が企画主演される来年1月からの公演「Anita Inner World Evoluthion
番外編」を中心に、自分自身の可能性を信じること、人は変われるということなど、時に笑い、時に涙ありの刺激的な杏奈ワールドをお届けいたします!

Vol.1「出会い」では、医学博士の先生との出会いによって得た変化へのきっかけを、そしてVol.2「転機」では尊敬する先生の言葉と共に、苦しかった日々に杏奈さんがどのように向かい合い、変化をしていったのかをご紹介しました。そして今回Vol.3では歌に対する「想い」や、出会った人々への「想い」をお聞きしました。

「何を想い、何を歌にこめていくのか」

杏奈さんが大切にされていることは何ですか?

「何を想い、何を歌にこめていくのか」

私が一番大切にしていることです。

海外の公演となると、日本語もスペイン語も通じない国に行くこともあります。そこで経験したのは、言葉の意味が理解できなくても、私の想いはお客様に通じている。魂からのメッセージは伝わるということでした。

そういう経験を重ねるうちに、自分が何を想い何を歌にこめていくのか、それが一番大切だと心から思えるようになりました

あれはパリでコンサートをした時のことです。

不眠症でずっと苦しんでいるというフランス人の男性から「杏奈さんのコンサートを聴きに行った日、とてもよく眠れた。あれは何なんでしょう?」というお便りを頂きました。男性が不眠症が良くなったと、とても感動している内容でした。そのお便りを読み、「私の歌を聞いて、そんな風に思ってくださる方がいる」と嬉しくなりました。

そして、そのことが「人を癒す」とはどんなことなのだろう?と考えるきっかけとなり、ヘルパー2級講座に参加してみようと思うようになったのです。

ヘルパー2級講座に行かれたのですか?

はい。授業も全部出て、現場で実習もしたんですよ。
冴木杏奈だとは分からないように本名で、毎回お化粧せずにすっぴんで行っていました(笑)。
そこでは、普段当たり前だと思っていることが、どれだけ出来ていないかを学ばせてもらいました。

あるおばあちゃまに「もう帰っちゃうの〜?」と、泣いて引き止められたことがありました。こちらも、うるっと涙が出てきたりしてね。
その時本当に思いました。そばにいるだけで、このおばあちゃまを癒すことが出来たのならどんなにいいだろうかと。
そして、それには、心(ハート)が大切なんだと思いました。

どういう気持ちで食事をさせてあげるのか、どういう気持ちでお食事やおトイレの介助をさせていただくのか、どういう気持ちでそこにあるのか。なぜなら、こちらの想いは相手に全部伝わるからです。
医の原点、福祉の原点というのでしょうか。

人間は自分自身が幸せであってこそ、他人を幸せにすることができる。

私はそれまで、自分は幸せじゃなくても家族が幸せだったらいい、友達の助けになればそれでいい、自分は少し大変でも仕方ないと、そんな風に自分自身を犠牲にすることが美徳だと思っていました。
それはなんて驕りなのだろうと、今は思います。

「本当の幸せとは、心の中にコップがあるとするなら、「幸せ」という名前の水があふれて、あふれて、コップの外に出た、そのあふれた方の水で人を幸せにするんです。それが本当の福祉です」とお聞きしました。

医学博士の先生から、「自分が幸せじゃないと、真実(ほんとう)の歌は歌えない」と言われましたが、改めて「本当に、そうだ」と思いました。人を癒したい、幸せにしたいと思っているのに、自分がすっからかんの空っぽでは、そんなことができるはずが無い。それと福祉も同じだと思いました。

「私は幸せです」

まず自分が幸せだと感じることが大切なんですね?

今、「私は幸せです」と言えます。

心は不思議です。幸せを感じると、以前は「無理だ!」と諦めていたことでも、今は「さあどうしよう?」と、前向きに受け止められるようになるんです。
この差は大きいんですよね。

舞台やコンサートなどでも、目の前にどなたかがいる時、必ず自分の心の中を+(プラス)で満たしてから舞台に立つようにしています。何十人、何百人、何千人の方を前にした時、どこから見られても恥ずかしくない自分の心でありたい。そして、「活きること、人を癒すこと、お客さまに元気になって欲しい、幸せになって欲しい」そういう想いを歌に込めて伝えたい。だから、私はステージに立つ時は、微塵もー(マイナス)の考えや想いを持っていたくないです。

そのためにも、朝必ずやることは「ガッツ!! よっしゃ!!」と自分自身に声をかけることです。
そして、コンサートの時も同じように自分自身に声をかけて、常に+(プラス)の心でステージに向かいます。

+(プラス)の心を持ち続けることが大切なんですね。

そう思えるようになったのも、海外公演の経験のおかげです。
南米での公演はとても大変で、バンドの人が譜面を読めなかったり、約束していた人がこなかったりとあらゆるトラブルが起こりがちです。
バンドのメンバーの一人がリハーサルの時までいたのに、本番ではいなかったりと、驚くようなことが起きるんですよ。その反面、最高のミュージシャンが出てきたりするんですね。

海外での公演は武者修行だと思っています。
自分との戦い、環境との戦いです。
例えばコロンビアでは、標高2,400mくらいあるところでコンサートをしました。富士山でいえば七合目くらいの所です。リハーサルで、やけに疲れると思ったんですけど、それは空気が薄いからなんですね。スタッフも頭が痛いと言って、高山病にかかる人もいました。
本来その環境に慣れるのに1週間程かかるらしいんですが、そんな間も無くコンサートで歌いました。そういえば、酸素ボンベが置いてあったので使おうとしたら、すでに空でした。(笑)

海外公演では、色々な体験をさせていただき、そして沢山の感動のお便りをいただきます。
あれは、同じコロンビアでフェスティバルに出た時のことです。
人種差別で、ものすごく苦しんでいたユダヤ系のご夫婦から「あなたが歌で救ってくれました」と書いたお手紙を頂きました。
そのご夫婦は差別に苦しみ、ヒーラー、宗教、占い、様々なセラピストなどあらゆることに救いを求めたそうです。でも、誰も救ってくれなかったと言っていました。
「誰も今まで私たちを癒してくれなかったけれど、あなたの歌を聞いて、自分達は心が癒され、楽になりました」と、頂いた手紙にそう書いてありました。そしてお礼にと奥様が焼いたケーキを持ってきてくださったんです。
「自分達のような人間は世界中にいると思う。これからも色んな所に行って、私達夫婦のような人間を癒してください」と書かれた手紙を読んで、本当に嬉しくて私は泣いてしまいました。そのお便りは今も大切にとってあります。

「歌うということに活かされている」

杏奈さんの想いがお客様に伝わったのですね。

本当に、お客様に感謝でいっぱいですね。私自身が沢山の勇気をいただいています。

それ以外にも、これまで色んな方と出会いました。
その中のお1人が、アルゼンチンのフォルクローレの母と言われたメルセデス・ソーサさんです。
すでに亡くなっていらっしゃるんですが、エビータと同じように、アルゼンチンの国葬になった方なんです。
その方との出会いで、フォルクローレという音楽も歌うようになりました。

メルセデス・ソーサさんは、人間的にものすごく大きい方なんです。この世界では、めったにタンゴ歌手がフォルクローレを歌うことはありません。でもメルセデスさんは、一緒にデュエットしようと言ってくださったり、私に沢山のチャンスをくださいました。そして、アニータ、アニータといって可愛がってくださいました。
アニータというのは、アンナの愛称なんですよ。
実は今回の舞台の女神の名前も、それでアニータなんです。
最後、メルセデスさんが亡くなる1か月位前に、お目にかかることができました。
メルセデスさんに「早く良くなってください。日本に来て頂いて、一緒にアルフォンシーナと海を歌いたいです」と言うと、
メルセデスさんは「そうね」と言って、ずっと私の手を握っていました。私もその手を離し難かったです。

メルセデスさんから沢山のことを学ばせていただきました。
そして、メルセデスさんと過ごした時間は私の宝物です。

沢山の素晴らしい出会いがありましたね。

自分1人で生きているわけではないんですよね。自分の中にある命としての可能性、それを繋いでくれる人との関わり、ファンの皆さん、スタッフ、自分は歌うということに活かされ、そんな自分を守ってくれる皆さんがいる。
だから、自分1人で生きているのではなく、活かされているんです。
だとしたら、この生かされた命を自分は精一杯生きたい。もっともっと想いを深めて、それを歌で伝えていきたいです。

朝、起きた時に無意識に「よし!頑張らなくちゃ」って思うんですよ。
そう思った途端、「あれ? 何だろう?この気力や気合?」
いつから自分は、こんな風に「よしっ!」って思えるようになったんだろう?「ガッツだ!やるぞやるぞ!よっしゃよっしゃ!」って思えるようになったんだろう?って。
そして、そんな自分になれたことがすごく嬉しいんです。

でも、そういう自分も過去を振り返ると、やることが沢山あると、逃げ出すこともありました。逃げていても最後にはちゃんとやるんですけどね。今思うと、効率が悪いやり方をしていたな~って思います。
まず一番初めに、やらなければならないことに取り組めばいいですけどね。

「魂を生きる」

杏奈さんはとても自然体で、魂に従って生きているように思います。

そうですか? ありがとうございます。(笑)
芸能人らしくない芸能人ってよく言われます。
でも、それが良さならそれもいいなと思うんですよ。
きっと自分は普通の人なんでしょうね。様々な経験を経て、普通に、自然になれたっていうんでしょうか。その自然さが魂を生きているってことなのかもしれませんね。

2016年夏に主演したお芝居「希望の色」でご一緒した大先輩の女優さんが言ってくださった言葉がとても嬉しかったです。
「杏奈さん、あなた、稽古の時から、役になりきって、毎日のように叫んでいるし、本番かと思うように一生懸命歌うから、喉を傷めるんじゃないかと毎日心配していたの」

自分でも、喉痛めるかなと思いながら舞台に立っていました。でも手が抜けないんですよね。どんなことにも一生懸命取り組みたいんです。
公演が終わったあと、耳鼻咽喉科へ検診に行ったのですが、細胞さえ魂だと思いました。
医師から「喉、上手に使っていますね~」と、褒められました。(笑)
でも、実は夏風邪をひいていたみたいです。微熱があったのですが、全然気づいていませんでした。身体も守られているんだと感動しました。

稽古も手を抜きたくない。精一杯心を尽くして、身体も守られて、共演者の方からもそんな風に言ってもらえるようになったんだと思うと本当に嬉しいです。

私、以前は身体も弱かったんですよ。すぐに胃痙攣を起こしては、何度も救急病院に運ばれた人間なんです。当時のマネージャーには、「杏奈は爆弾を抱えているみたいだよねって」ずっと言われていました。
人間ですからね、風邪もひきますし病気にもなると思うんです。でも、心が元気になると、身体の方も変わってくるんですよね。

自分の中にある命。
魂と共に活き、自分自身の命を活かしていけるのは、その人の想い次第なんだと実感しています。

杏奈さんの生き方にとても感動しています!

ありがとうございます。
でもこうやってどなたかから褒められと、感謝するのと同時に、医学博士の先生の言葉を思い出すんです。

先生は、「勝って兜の緒を締めよだよ。常に初心に返ることが大切だよ」っておっしゃっていました。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉がありますが、そういう心が大切だと言ってくださったのが、ふと浮かびます。そして、「よし頑張ろう!」「さらに頑張ろう!」という思いが強くなります。

驕らない自分でありたいですし、応援してくださるファンの皆さまの想いを大切にしていきたいと思っています。
だって、生きている全ての人と知り合える訳ではありません。だから知り合った皆さまとのご縁を大切にしていきたいです。
それにはやっぱり、自分自身が精進し続けることが大切だと思っています。

番外編「ファンへのメッセージ」へ続く。

プレゼント第3弾!
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オリコンチャートデイリー16位の快挙!
愛、情熱、進化、タンゴをエレクトリックに乗せて…… 冴木杏奈作詞のオリジナル曲7曲を含む全11曲♪

応募方法
2017年1月15日までにeメールまたはFAXをお送りください。
お名前、住所、連絡先(必須)を明記し、年齢、ウェブマガジンBlanchechou(ブランシュシュ)を知ったきっかけ、感想、冴木杏奈さんへ応援メッセージなどをお願いいたします。
当選は、商品の発送をもってかえさせていただきます。

連絡先
e-mail:info@earth-y.co.jp
FAX:045-710-0304



この記事を書いた人
ブランシュシュスタッフ

冴木杏奈

北海道 旭川市生まれ。1987年「ミスさっぽろ」をきっかけに、タンゴ歌手としてデビュー。
実力を認められ、アルゼンチンでのレコーディング、数々のメディアに出演。日本ではオルケスタデルソルのソロボーカリストとしても活躍。
『 ニューズウィーク』日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。ラファルダ・タンゴフェスティバルでは外国人として初となる「タンゴに貢献した20人」を受賞するなど、国内外で活躍の場を広げている。
※冴木杏奈オフィシャルサイトより

Web:http://www.annasaeki.com/

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「Anita Inner World Evolution 番外編」

東京公演 2017年1月19日(木)~29日(日)
会場:CBGK シブゲキ!!
広島公演 2017年2月1日(水)~3日(金)
会場:広島市東区民文化センター
横浜公演 2017年2月6日(月)~7日(火)
会場:県民共済みらいホール

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