人に寄り添って相続のサポートを 相続手続コーディネーター七條亜紀さん


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相続のこと、普段から考えてる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。特に若い方だとまだまだ先の話・・・と思うことでしょう。しかし、いつかは直面する時がくることは事実です。
今回は相続手続コーディネーターとして、日々お客様と対面されていらっしゃる七條さんにお話を伺いました。相続の手続きという場面には必ず人の死が関わります。少しでもお客様に安心していただけるように、ひとりひとりの気持ちに寄り添ってお話しされている七條さん。どんなきっかけでそのお仕事についたのか? 仕事のやりがいは?

相続手続コーディネーターへの一歩

社会人生活のうち13年、派遣社員として仕事をされていたという七條さん。そこでは行政に関連した業務が多く、次第に法律関係の仕事に興味を持ち始めたそうです。また、困っている方の相談に乗り、一緒に解決方法を探していくということに自分は向いているのではと感じていたとのこと。そこで、派遣の契約が終了するタイミングで法律関係の業界で正社員として働くことを目指しました。未経験の業界ではありましたが、偶然にも司法書士事務所の求人を見つけて入社したとのことです。そして入社して2ヶ月、相続の部署へ異動となり、相続手続コーディネーターとしての一歩を踏み出しました。

「ありがとう」が心地良い

異動後は、ひとりで全部やらなければいけないという切羽詰まった状況が待ち受けていました。その当時は、わからないながらも仕事をこなす毎日。それでも日々お客様と接していく中で、感謝の言葉をいただくようになったといいます。

「自分がわからないながらやっている、そんな中でいろんな人に感謝されたんです。「あなたに頼んでよかった」「ありがとう」とたくさんの方が言ってくださったことにびっくりしました。」

そのうちにだんだん仕事にも慣れてきて、「この仕事をずっと続けたい」と思うようになったそうです。

「私達の相続の仕事は、身内の方を亡くされ落ち込んでいる状況の中で手続きをしなくてはならない。そんなお客様とお話します。はじめは途方に暮れていた方が少しずつ笑顔になり、話せてよかったと言っていただく。実は、相続の手続きはそこからがスタートです。手続きには早くて3、4ヶ月〜長くて1年という時間がかかります。なので、すべての手続きが終わった後、「ありがとう」と言っていただけるのは、私にとっては本当に救いです。」

七條さんはお客様の感謝の言葉を活力に、日々相続のお仕事に向き合っていらっしゃるのが伝わってきます。

家族の絆を感じながらお客様に寄り添う

相続の手続きの際は、まず亡くなられた方の戸籍を見て相続人が誰なのか調査をするそうです。ケースによっては、かなり辛い場面に立ち合うこともあるそうです。

たとえば、亡くなられたご主人に家族も知らない別の家族がいたという案件を扱った時のこと。その事実をご遺族に説明した時は辛かったですね。でも、そんな辛い状況でも、そこを乗り越えないとご主人の残した財産をそのご家族が受け取ることができないので、気持ちを切り替えてもらわないといけません。そして、ご家族がこれから人生を歩まれるには、それが一番大事だということを七條さんは丁寧に伝えたそうです。
この案件のように面識のない相続人同士の間には、すべて七條さんが入り、そのやり取りも含めて、手続きを引き受けます。親しい方を亡くしたばかりで落ち込んでいらっしゃるご家族にどれだけ寄り添い、信頼してもらえるかがこの仕事の鍵です。もちろん、このケースの場合にもご家族に信頼していただき、無事手続きを終えることができました。

また別の案件では、家族間の相続についての話し合いの場に立ち会ってほしいと言われたこともあるそうです。そういった場面での交渉は本来は弁護士の仕事。でもご家族から、「第三者が話し合いの内容を聞いたという、証人としていてほしい」というお願いをされたのだそうです。

「私は何もできません。それでも、私がいることでお客様の気持ちの整理がつくのなら、と同席しました。」

「相続」という生々しい仕事であり、大変な案件も多い中、心温まるエピソードも多いと七條さんは語ります。

その中のひとつのケースです。あるご家族のお父さまが亡くなりました。そのご家族は、亡くなったお父さまと認知症のお母さま、それから離れて暮らす3人の息子さん。生前、お父さまと息子さんたちの語らいはあまり多くなかったそうです。でも、そのお父さまはエンディングノートを残していました。

「そのノートにはお母さまに対しての想いも書いてありました。遺言書としての効力はないものの、エンディングノートには”想い”が書けます。日記の延長線のようなものでもあり、紙に残されていたからこそ、お父さまの想いを家族が受け取り共有できたのではないでしょうか。家族が一致団結していらっしゃっていて、とても素敵だと思いました。」

さまざまな人間関係の形があるからこそ、それぞれの想いに寄り添う。自分にはそれが自然な行為のように思うと七條さんは言います。

仕事のやりがいとは

この仕事が大好きだという七條さん。仕事のやりがいとはなにか? を伺いました。

「相続という難しいこと、簡単ではないことをお手伝いしていることにやりがいを感じます。相続の手続きというのは、労力や時間を惜しまなければ自分でもできます。でもさまざまな事情で自分ではできないという方が私のところに相談に来られています。これまでにさまざまなケースを扱ってきていますので、安心してお任せいただける自信があります。お客さまにはご安心いただけますし、頼んでよかったと思ってもらえると思います。」

○○士事務所というと、普通の方はハードルが高いというイメージをもたれる方も少なくないかもしれません。そういった方のために私のような相続手続コーディネーターがいるのだと思います。
常にお客さまと同じ目線でお話しを伺っています。そして、お客様が何に困っているのかを考え、そのお客さまにとっての最善のアドバイスをお伝えすることを心がけています。

相続手続コーディネーターの存在を知ってほしい

相続手続コーディネーターの仕事はまだまだ知られていないといいます。そして、より多くの人に知ってほしいと、七條さんは強く願っています。

「セミナーに来られる方はやはり高齢の方が多いです。その世代の方々ですと、遺言書の作成などのご相談などもあります。今後はさらにもっと下の世代の方にも関心をもってもらいたいと思っています。 」

仕事もプライベートもさらに充実したものに

ワークライフバランスという言葉がありますが、七條さんのお仕事の今後の展望とちょっぴりプライベートについてもお聞きしてみました。

「まず、相続手続コーディネーターという仕事を世の中にもっともっと知ってもらうこと。そして会社のことでいえば、自分で会社を立ち上げた現在、私と女性スタッフで仕事をしていますが、もっとスタッフを増やして会社の規模を大きくしていきたいと考えています。」

さらに、プライベートでは結婚して、出産も考えていらっしゃるとのことです!

読者へのメッセージ

ぜひご関心があれば、最近七條さんが執筆された本、『凛女の選択』も合わせてお読みください。

30代前後の女性に向けた内容となっており、25名の専門家を集めてさまざまな分野から生き方のヒントとなることが書かれています。その中で七條さんは妻としての相続について、また子供から見る相続について執筆されています。
体のこと、結婚、子供、見た目のこと、いろいろな角度から人生について見つめるきっかけにしてみませんか?

:風巻舞子

Information

七條 亜紀(相続手続コーディネーター)

株式会社あんしん相続サポートオフィス

〒210-0005 神奈川県川崎市川崎区東田町8番地パレール三井ビル16階

tel: 0120-046-040

URL: http://ashin-office.sakura.ne.jp/

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