天から遣われた”おばあちゃん”に会った話 〜飯田みゆきのコラム 第13回

2017.7.29

私の職場は、とある駅ビルの中にある店舗です。

ある日の昼休み。エスカレーターで1階に降りようとしたら、杖をついたおばあちゃんがうまくエスカレーターに乗れないでいるところに遭遇しました。

エスカレーターの下では、先に降りた家族の方がおばあちゃんを呼んでいます。が、おばあちゃんは、どうしてもエスカレーターに乗ることができなくて困っています。私は、家族の方に伝えて、おばあちゃんと一緒にエレベーターを使って1階まで降りることにしました。

二人で並んでエレベーターを待っていたら、ふいに、おばあちゃんの手が私の手を握ってきました。おばあちゃんの手から心細い気持ちが伝わってきたので、私も握り返しました。

その間、おばあちゃんは一言も発しません。
私の背が高かったので、おばあちゃんの表情を見ることはできませんでした。

ただ黙って、二人で手をつないでエレベーターを待ち、一緒にエレベーターに乗り、1階に到着すると家族の方が待っていました。家族の方にお礼を言われておばあちゃんと別れ、私はそのまま昼食に出かけました。

たったこれだけの出来事が、私の心をとらえて離さないのです。おばあちゃんと手をつないでいた時の『頼られ感』は、子供のいない私の人生では味わったことのないものでした。

ここには、どんなメッセージがあるんだろう

「あなたの存在を信じて良いですよ。」

おばあちゃんの手は、私の手。
私を信じて良いというメッセージ。

突然出会ったおばあちゃんは、天使だったのかもしれない。
私自身にOKを伝えにきた天の使い。
おばあちゃんの手の温もりを忘れない。
おばあちゃん、ありがとう。

コラム執筆者

飯田みゆき(”自分の感覚を取り戻す” 森と魂のセラピスト)
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