香港映画のレジェンド、サモ・ハンが帰って来た! 最新作2本を連続公開

【サモ・ハン is BACK!】

配給:ツイン
『おじいちゃんはデブゴン』5月27日より新宿武蔵野館ほかロードショー
『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』6月10日より新宿武蔵野館ほかロードショー

香港映画界のレジェンド、サモ・ハンの最新作2本が連続公開されます。
サモ・ハンは、61年にデビュー以来、俳優として巨匠キン・フー監督作品やブルース・リー出演作品など数多くの映画に関わってきました。また、製作、武術指導(アクション監督)にも携わり、ユン・ピョウ、ジャッキー・チェンら後輩の無名時代の面倒を見ていました。53年生まれ(52年との文献もあり)のサモ・ハンですが、『イップマン 葉問』(10)ではドニー・イェンと華麗な技を競い合うなど最古参でありながら現役スターとして活躍しています。そのサモ・ハンの新作が「サモ・ハンis BACK!」と題し、連続公開されます。

『おじいちゃんはデブゴン』

©2016 Irresistible Alpha Limited,Edko Films Limited,Focus Films Limited,Good Friends Entertainment Sdn Bhd. All Rights Reserved.

本作は、愛称デブゴンを邦題に冠した、サモ・ハンの監督・アクション監督・主演作品です。
ひとり暮らしの退役軍人サモ・ハンは、時々遊びに来る隣家の少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)だけが心を許せる存在。少女の父親ジンガウ(アンディ・ラウ)は無職のギャンブル狂で、中国マフアから多額の借金をしていました。借金をチャラにする代わりにロシアン・マフィアの宝石を奪うよう持ち掛けられたジンガウは、ウラジオストクに渡り宝石強奪に成功。しかし宝石を持ち逃げ。中国マフィアは娘のチュンファを人質に、ジンガウを誘き出そうとします。そしてチュンファを守ろうとするサモ・ハンの出番となります。
好々爺のサモ・ハンは、温厚な表情から一転、きりっとした表情に切り替わる硬軟両面の演技が見事です。悪玉は針金ハンガーで首を切り裂き、アキレス腱を切るなど、殺し方の手口が残酷で、武器を使わないサモ・ハンの正義の鉄拳を際立たせます。

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前半のアクションはアンディ・ラウが階段を使った見事な動きを見せ、後半はサモ・ハンがクンフーで手足バキバキの技を見せます。とくに狭いビリヤード場での闘いは工夫を凝らした動きで見応えがあります。アンディ・ラウの敏捷な動きに対し、サモ・ハンは足を刺されたため走れず、定位置で闘います。そして終盤の線路沿いでの闘いは、足を引きずり、息切れしながらボス(フォン・ジャーイー)を追い詰めるサモ・ハンの執念には圧倒されます。
アンディ・ラウの娘役のジャクリーン・チャンはめちゃ可愛いし、ゲスト出演のユン・ピョウ、ディーン・セキ、カール・マッカ、エディ・ポンなど特別出演の顔ぶれは、サモ・ハンの人脈と人望をうかがわせます。

『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』

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史劇の本作はベニー・チャン監督、サモ・ハンはアクション監督です。刀や槍の殺陣が中心ですが、積み重ねた甕の上での格闘技、鞭を使った狭い橋上でのアクションが見事です。
内戦下の中国、自警団に守られている村に北洋軍閥の攻撃が。村人を無意味に殺戮してゆく将軍のバカ息子(ルイス・クー)を阻止しようと、自警団団長(ラウ・チンワン)は立ち向かい、バカ息子を捉えてしまいます。軍閥はバカ息子の解放を迫ります。息子を解放して穏便に済ませようとする村人たちの主張に団長も呑まれ、バカ息子を解放、途端に軍閥は村人を大虐殺。成り行きを傍観していた謎の旅人(エディ・ポン)と、団長、その妻(ユアン・チュアン)が軍閥に立ち向かいます。
『荒野の七人』にマカロニ・ウェスタンのテイストを加えた、アクション連続の作品ですが、歌舞伎の見得を切るような動きは、サモ・ハンが京劇に精通しているからでしょうか。
狂気の殺戮マシーン、ルイス・クーの獄中演技は、『羊たちの沈黙』のレクター博士を思わせます。ラウ・チンワンはジョニー・トー作品で見せる鋭い演技とは違った、寡黙で落ち着きのあるリーダーを演じています。

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ダブル主演のエディ・ポンは、敵方にいる友人と自警団団長の正義感に挟まれ葛藤する青年役を、持ち前の飄々としたキャラクターで重くならないように演じています。エディは『おじいちゃんはデブゴン』でも面倒見の良い警官役で出演しています。
ストレスを発散したいお一人様も、デートムービーとしても楽しめるアクション作品です。

オフィシャル・サイト http://sammohungisback.com/

取材・文:伊藤 孝

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