『アスファルト』~人生のすべては団地で起きている!驚きのエレベーターに、さあどうぞ!

『アスファルト』 Asphalte

©2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions -Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory

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配給 : ミモザフィルムズ 2015年 フランス 100分
公開 : 9月3日ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、10月横浜ジャック&ベティ、川崎チネチッタほか全国順次公開)
監督 : 脚本 サミュエル・ベンシェトリ 脚本 ガボル・ラソフ
出演 : イザベル・ユペール ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ マイケル・ピット

団地を舞台にした優れた映画といえば、本年だけでも阪本順治「団地」、是枝裕和「海よりもまだ深く」があります。古くは「家族ゲーム」、「私は二歳」、「しとやかな獣」などがすぐに思い浮かびます。現代劇で暮らしを描くには、集合住宅であるマンション、団地が舞台とならざるを得ません。その集合住宅を作品にどう活かすかは監督の才気にかかっています。

本作は、団地の住人3組6人の男女の奇妙奇天烈な物語です。

フランス都市郊外の古びた団地。エレベーターの故障が続き、住人達はエレベーターの交換について話し合い、費用を分担することにします。しかし2階に住むスタンコヴィッチ(ギュスタヴ・ケルヴァン)だけは「オレは階段を使うから」と費用負担を拒みます。ところが彼は事故を起こし、車椅子生活に。食糧の買い出しに行くにも、誰もエレベーターを使わない夜間に部屋を抜け出すしかありません。ある晩、病院のスナック菓子自販機にようやくたどり着いた彼は、夜勤のナース(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)と知り合い、一目ぼれ。「自分はプロのカメラマンだ。あなたの写真を撮らせてほしい」と嘘をつき、また会う約束を取り付けます。そして約束の日、エレベーターに乗り込みますが、故障が発生、エレベーターに閉じ込められてしまいます。そして…。

©2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions -Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory

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次のエピソード。少年は隣に越してきた女性(イザベル・ユペール)と知り合います。彼女はかつて有名な女優でした。少年は彼女が再び舞台に立つように画策するのですが…。

第3のエピソード。アルジェリア系移民のマダムは、屋上に不時着したNASAの宇宙飛行士(マイケル・ピット)を部屋に招き入れます。NASAの迎えが来るまでマダムの部屋に置いてもらうことに。マダムの手料理をごちそうになり、水漏れを直したりするうちに、言葉は通じなくても、次第に心を通わせるようになります。飛行士は、マダムの子どもが一緒に暮らしていないことを知り…。

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この3つのエピソードを並行して描いています。そしてラスト、宇宙飛行士を乗せたヘリが空に昇っていきます。登場人物みんなが空を見上げます。

停止するエレベーター。不時着した宇宙船。リタイアした女優。それらの人生が上向いていくかのようです。

ネガティブなキャラクターばかりのようで、実はやさしさ、交流、再起がキーワードの、観る人を幸福な気持ちに包み込む癒し系の映画なのです。

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