『イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優』-恋多き女のドキュメンタリー-

『イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優』
INGRID BERGMAN-IN HER OWN WORDS

配給・東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
8月27日Bunkamuraル・シネマ公開

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©Mantaray Film AB. All rights reserved. Photo: The Harry Ransom Center, Austin

1940年代から70年代にかけて活躍した世界的名女優、イングリッド・バーグマン(1915年8月29日~1982年8月29日)。バーグマンは何でも保存しておく癖のある人でした。幼少時のパスポートや両親が撮影したホームムービーの映像、日記、写真など。本作はそれらの素材を駆使してバーグマンの生い立ちから晩年までを、彼女の家族、映画関係者の証言を交えて構成した、興味深いドキュメンタリーです。

©Mantaray Film AB. All rights reserved. Photo: Wesleyan Cinema Archives

©Mantaray Film AB. All rights reserved. Photo: Wesleyan Cinema Archives

イングリッドといえば、ヒッチコック、ベルイマン、ジョージ・キューカー、ジャン・ルノワールといった名匠のミューズとして知られていますが、恋多き女の代名詞(そういうタイトルの作品もあります)でもあります。

スウェーデンからハリウッドに渡り、『ガス燈』(44)でアカデミー主演女優賞(生涯で3回の受賞)に輝いたイングリッドは、46年、戦場写真家ロバート・キャパと出会い、恋に落ちます(自伝でも明らかにしています)。

次は50年、イタリアでロベルト・ロッセリーニ監督と不倫関係の恋に溺れ、結婚して3人の子をもうけます。しかし許されぬ恋としてアメリカ議会で糾弾されるほど非難の的となり、アメリカに戻れたのは56年になってからで、その年に主演した『追想』で再びアカデミー賞を受賞、世間の許しの象徴となります。ロッセリーニとは翌57年に離婚、58年演劇プロモーターと結婚、そして晩年まで、悠々自適というより、自分に正直に生きる姿勢は変わることがありませんでした。

©Mantaray Film AB. All rights reserved.

©Mantaray Film AB. All rights reserved.

イングリッド・バーグマンは暗い役が多いという印象があります。『ガス燈』『白い恐怖』『汚名』『秋のソナタ』など、笑顔を見せません。ですが、素顔のイングリッドは「チャーミング、部屋に入って来るだけで周りが明るくなる」(娘イザベラ)「勇気を持ち続けた人」(息子ロベルト)と家族は語っています。豊かな素材と証言から浮かび上がるのは、自分に誠実な、勇気と行動の人だった、ということ。

わが国では、不倫が発覚すれば記者会見を開いて世間に謝罪し、関係を清算なければなりません。しかし60年前に、自分に正直に行動する勇気を持った女性がいたという事実は、現代の女性に勇気と誇りを与えてくれます。

監督:スティーグ・ビョークマン/プロデューサー:スティナ・ガーデル/撮影:マリン・コルケアサーロ/ナレーション:アリシア・ヴィキャンデル
音楽:マイケル・ナイマン
出演:イザベラ・ロッセリーニ、イングリッド・ロッセリーニ、ロベルト・ロッセリーニ、ピア・リンドストローム、フィオレラ・マリアーニ、リブ・ウルマン、シガニー・ウィーバー、ジャニーン・ベシンガー

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